ゼロ知識証明とは?仮想通貨関連技術の仕組みや活用事例まで

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匿名性の高い仮想通貨を説明する際に使わることの多い「ゼロ知識証明」という技術。実際のところよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

この記事ではそもそもどんな技術なのか、そしてどのようなユースケースがあるのか、詳しく解説していきます。

ゼロ知識証明とは?

ゼロ知識証明(Zero Knowledge Proof、略してZKP)とは、簡単に言ってしまえば「隠された内容について、それに一切言及することなく、証明してしまうこと」を指します。

内容に対する知識がなくとも証明できるため、ゼロ知識証明と呼ばれています。

ゼロ知識証明が成り立つには以下3つの条件が必要です。

  1. 完全性(completeness):検証する側が送られてくる情報の正しさを必ず見分けられること
  2. 健全性(soundness):検証する側が送られてくる情報が偽であれば、それを高い確率で見抜けること
  3. ゼロ知識性(zero-knowledge):送られてくる情報が正しいならそれ以外何も必要がないということ

もちろん、他の承認取引の流れでも1~2までの作業は行われており、ゼロ知識証明では3つ目の作業が重要になります。ただ、この説明だけではなんだかいまいちよくわかりにくいかもしれません。

身近な例でいえば、銀行のキャッシュカードを考えてみてください。口座からお金を引き落とす際にパスワード入力する必要がありますよね。

仮に銀行の入出金の仕組みにゼロ知識証明が適応できれば、パスワードなど入れなくとも、口座持ち主の身分が証明され、口座からお金を引き落とせるようになるのです。

現在話題の仮想通貨で基幹技術の一つとして利用にされたことによって有名になりました。このことから仮想通貨関連スタートアップの発明のように思っている方も多いかもしれません。

ですが、実はゼロ知識証明はもともとは暗号学の分野で提示されてた概念で概念その物は1985年に初めて提唱された古い概念なのす。

ゼロ知識証明のメリットは?

この一見、難しいゼロ知識証明がなぜ、仮想通貨に利用されているのか、その背景にはゼロ知識証明を技術として利用することによる大きなメリットがあるからなのです。

大きなメリットは仮想通貨で上げるならば、送金者、受取人のプライバシーが守られるというものがあります。また、ゼロ知識証明を利用した仮想通貨が広く広まれば、これまで関税や国際送金において確認のためにかかっていた費用や人員、時間などのコストが必要なくなるという可能性も持っているのです。

ゼロ知識証明により、匿名性が高まる

ゼロ知識証明では先ほども説明したように、必要な情報を盛り込まなくとも内容を証明することが可能です。仮想通貨取引でいえば、送金者・送金日・送金金額など必要な情報を提示せずとも取引の承認を行うことが可能になります。

このことによって、利用者の匿名性を守ることができるのです。後述しますが、この機能が現時点では犯罪集団や資金洗浄という目的で悪用されていることも事実です。

ただ、本質的には企業間の利用など高い匿名性が求められる分野でのユースケースに強みを持っており、今後仮想通貨やブロックチェーン技術が一般的になればより影響力を増していく可能性もあります。

JPモルガンによって採用

ゼロ知識証明を技術を採用している通貨の一つがZcashです。ゼロ知識証明をもとに、Zcashが開発しているZk-snarkというゼロ知識証明システムを開発、世界第二位の取引高を誇るイーサリアムにも採用、技術力の高さを評価され、世界最大手証券会社の一つであるJPモルガンと提携を結ぶなど、非常に高い評価を受けています。

ゼロ知識証明の課題は?

先ほど説明したようにゼロ知識証明には大きな課題があります。

匿名性が高いゆえに犯罪に利用される

一つは特に仮想通貨分野に関して言えることですが、犯罪目的で通貨が利用される可能性があるということです。

特にZcashなどゼロ知識証明を利用し、匿名性が高いといわれる通貨は、これまでにも足がつきにくいため、犯罪組織の資金源、あるいは資金洗浄のための通貨として利用されているとの声が上がっていました。

ゼロ知識証明を利用したものではありませんが、実際過去には匿名性の高い仮想通貨である、モネロがダークウェブ(薬物売買など違法サイト)の一つであるAlphabayでの決済用通貨として利用されていたのです。

また最近では犯罪目的での利用のためか、匿名通貨モネロがクリプトジャッキング(他人のCPUを使って勝手に仮想通貨マイニングをさせること)という新手のサイバー犯罪によって勝手にマイニングさせられるという事例も報告されています。

実際には通貨やゼロ知識証明の技術が悪いわけではありません。ですが、現状新たな問題に対して規制を掛けることは困難であり、ゼロ知識証明を利用している規制が及ぶ可能性もあります。

犯罪への懸念から規制が及ぶ可能性も

ゼロ知識証明技術自体に規制が入ることはないと思われますが、それを利用した通貨は先ほど説明した理由から国による規制を受ける可能性があります

現に日本では、2018年5月にゼロ知識証明を利用した通貨であるZcashを含む匿名通貨の全面的な取引規制の流れができてしまいました。現時点で国内では取り扱いがないのです。

また、国外でも2018年7月に行われるG20では、匿名通貨の国際的な規制枠組みが採択されるともいわれており、ゼロ知識証明の技術の評価自体にも何らかの悪影響が及ぶ可能性もあります。

ゼロ知識証明の活用事例は?

さて、ここまではそもそもゼロ知識証明とは何なのか、メリット、デメリットはという点に関して仮想通貨業界の動向に触れつつ説明してきました。

次に実際の活用例を見ていきます。

仮想通貨関連(メインの3つ程度)

仮想通貨関連では以下の三つの通貨、サービスでゼロ知識証明が活用されています。

  • Zcash
  • Ethereum
  • Zcoin

Zcash

Zcashは2016年に誕生した通貨です。ゼロ知識証明を応用した、Zk-Snarkという独自のシステムを開発発行通貨に実装することで、高い匿名性を実現しています。

匿名性の高い通貨というZcash以外には、Monero、Dashなどがありますがこれら二つの通貨が送金履歴だけが匿名化されるのに対し、Zcashは送金、受け取りアドレス、数量も匿名化することが可能で、仮想通貨取引に関係するほぼすべての情報を匿名化することが可能です。

この技術力の高さから2017年5月世界最大手金融機関の一つであるJPモルガンと提携を結ぶに至っています。

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Ethereum

イーサリアムはZcashのZk-Snark技術を採用、Etherに実装しています。Ethereumの強みが自動で契約を行うことのできるスマートコントラクトです。

イーサリアムはZk-Snarkの実装によって、契約の内容を完全に秘匿して実施することができるようになりました。

イーサリアムをZaifで購入する

Zcoin

2016年に誕生した、仮想通貨で、こちらも同様にゼロ知識認証技術を採用しています。ZcashのZk-Snarkを採用しているわけではなく、自社独自の技術を採用しています。Zcashとは異なり、匿名性の高いブロックチェーンプラットフォーム実現を目指しているようです。

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その他採用例

そのほかの採用例の一つが、PIVX(ピグウス)です。2016年に誕生。ゼロ知識証明と、送信者情報を混ぜ合わせて追跡不能にする独自技術coinjoinによって、高い匿名性を実現しています。

まとめ

今回の記事では、匿名通貨とともに語られることの多い「ゼロ知識証明」について解説してきました。この概念を用いて作られた技術によって高い匿名性を実現した通貨が生まれています。

その一方で犯罪利用などへの懸念からゼロ知識証明を利用したような匿名通貨は規制の対象になる危険性もあり、投資には十分な注意が必要といえるでしょう。

ただ、技術的にはJPモルガンなど世界的な大企業からも信頼を置かれており、今後のイノベーションに期待が持てる技術でもあります。

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